インサル伝の表紙・裏表紙について
 

 

 「忘れられた巨人 サミュエル・インサル - 電気事業のルーツに見る真のイノベーション」という本を、社会連携委員会から2020年12月に出版しました。表紙にはウェブにあるように、4つの肖像画・写真が載っています。裏表紙にはウェブでは見られませんが、パリのエッフェル塔にリンドウの花を組み合わせた写真を載せてあります。そこに込めた想いをお話しさせてください。

表紙の4つの写真:いずれも サミュエル・インサル(1859 - 1938)の写真です。彼は英国のロンドン郊外でこの世に生を受けました。22歳で渡米しエジソンの下で粉骨砕身働き、その薫陶を得ました。その後独立し、電気事業のビジネスモデルを築くことに成功し業界の重鎮として一世を風靡しました。それが最初の3枚です。しかし、彼を快く思わない人からの訴追に遭い収監されました。そのときの、帽子で顔を隠した老年期の写真が最後の1枚です。これらは本文中でも用いたもので、表紙ではサイズをだんだん小さくなるように配置しました。「そして忘れ去られた」イメージを出したかったからです。

裏表紙の写真:インサルはパリで客死しました。エッフェル塔の写真は、インサル伝作成チームのメンバーが実際にパリで撮影したものです。インサルの死去は1938年7月9日、パリ市内の地下鉄構内で、死因は心臓発作でした。写真原画はカラーでしたが、インサルの死去は第2次大戦前のことですから、裏表紙では白黒にしました。そこに現代の私たちからお悔やみを申し上げたいとの気持ちで、カラーのリンドウを配置しました。花言葉に興味がある方はお調べください。