東京スカイツリー®と雷
 東京スカイツリー®と雷

 

  雷はいろいろなところに落ちます。この写真は落雷の瞬間を見事にとらえていますね。もっと写真を見たかったり、自分で写真を撮りたかったら、ここを訪問してみましょう。

 皆さんは東京スカイツリーを知っていますね。634メートルの高さは、自立式電波塔としては世界一です。雷は東京スカイツリーにも落ちます(「東京スカイツリー 落雷」で映像や動画をネット検索してみましょう)。では雷の研究に東京スカイツリーが役立っていることを知っていますか。

 小冊子のVol.7でも説明されているように、雷は電力設備にとっては大敵です。電力設備への落雷による停電や被害を防ぐためには、雷の特性を明らかにする必要がありますが、そのためには多くの落雷データを蓄積して解析する必要があります。雷がいつ、どこに落ちるかは判りませんが、高い建物には雷が落ちやすいことが判っています。このような背景から、世界一の高さの東京スカイツリーで雷の観測が、電力中央研究所と東京スカイツリーの共同研究で、2012年から行われています。

 東京スカイツリーに落ちた雷は、柱を通って地面に逃げてゆきますので、塔の中にいる人間は安全です。柱を通っていることをどうやって調べたらよいのでしょうか? 塔を支える柱にコイルを巻きつけておくのです。柱を通る雷の電流によって、コイルに電流が流れるで、それを測るのです。コイルにはロゴスキーコイルという名までがついています。一階の通路からスカイツリーを支える柱を見てみましょう。写真にある赤い輪を見つけたらあなたは偉い。その輪(パイプ)の中に、塔脚を流れる電流を高感度で検出するコイルが入っているのです。
 ではロゴスキーコイルがあるのはここ一か所だけなのでしょうか。実は驚くなかれ、上部展望台のさらに上にもあるのです。写真で研究者が指をさしているパイプの中にコイルがあります。
 これまで東京スカイツリーでは年平均10回程度の雷が観測されており、多くの新しい知見が得られており、それらは論文などの形で公表されています。市販本もあります。興味がある人は読んでみましょう。

宮地 巌: 「雷を電気と認めた時代と科学者の回想(Ⅰ)」 電気学会誌 121巻5号(pp.326-329) 2001年
宮地 巌: 「雷を電気と認めた時代と科学者の回想(Ⅱ)」 電気学会誌 121巻6号 (pp.391-394) 2001年
横山 茂、石井 勝: 「写真で読み解く雷の科学」、 オーム社 2011年
新藤孝敏: 「雷をひもとけば 神話から最新の避雷対策まで」、 電気学会 2018年
新藤孝敏: 「雷観測今昔ものがたり -フランクリンの凧から東京スカイツリーまで-」 電学誌 138巻12号 (pp.815-818) 2018年

 

 電気学会では基礎・材料・共通部門(A部門)の放電技術委員会と電力・エネルギー部門(B部門)の高電圧技術委員会が主にその研究を推進しています。


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